みやストック・イラスト素材配布サイトを制作した理由

ストックイラスト素材配布サイト「みやストック」のサイトを作ってから約1年半(2025年12月時点)が経ちました。
まだストックイラストの経験は少ないですが、今回はなぜ自分でサイトを制作して運用していこうと思ったかを書いてみたいと思います。
この記事は、カッコーさん主催の「ストックイラストAdvent Calendar2025」に参加しています。
ストックイラストがどういうものか、ストックサイトが色々あることなど。何となく知ってはいましたが、大量のイラストを描くイメージがありました。
専業のイラストレーターではない自分が後発で今から参入しても、売れるのは難しいのでは?と漠然と思っていました。
ストック初心者クラブとの出会い
「HappyPaintWorkのJ2」さんから、カッコーさん主催の「ストック初心者クラブ」の存在を教えていただき、実際にストックイラスト活動をされている方々のことを知りました。加入してみると、Discordの中はたくさんのストック仲間のみなさんが在籍。月ごとにイラストを描くお題、イラストレーターのお役立ち情報や、ストック情報など盛りだくさん。
私はたまに投稿を眺めて楽しんでいるだけの幽霊部員ですが、交流してもしなくてもいいくらいの、距離感がちょうどいい感じです。
ストックサイトを自作しようと考える
ストック部で先人達の情報を参考にして改めて考えると、既存のストックサイトは機能が充実しているし、すでに集客力もあるのでとても有効。
プラットフォームの規約や機能に左右はされるので、既存のストックサイトとは別に自分でもサイトを持っていると、自由度の高さや独自のブランドも作れるかと思いました。
運営するテーマについて
Webサイトのテーマを何にするか。色々調べていると広くなんでも描くよりも、ビジネス系や医療系の人物、パーツや背景などの素材系、タッチなどある程度テーマを絞るほうが目に留まりやすいことはわかりました。
私の場合は地元のクリエイター(みやフレンズ)でグループ活動をしていることもあり、参加をお願いし、地域色を出す方向で進めました。
皆が少しずつ素材を提供することで、たくさん登録素材数がなかったとしても、少人数で運営することでブランディングとして際立ち、それぞれのポートフォリオの営業ツールとしても活用していけるかと思ったからです。
制作するとき、すでにAIが広がり始めていたので、地域のテーマはまだイラストが生成出来ていなかった点も、独自の専門性を出す理由になりました。
Webサイトの構成について
WordPressでメインのイラスト無料素材配布サイトを作り、STORESでネットショップへリンクして高解像度版を有料販売。という導線にしました。

サイトの中にカートプラグインをつけて内部で制作することも考えましたが、カートは販売手数料がかかっても、システムを管理してくれるところにしたほうがセキュリティ上安全なので、長期的に運用することを考えて今回は選びませんでした。デメリットはサイトとショップが2つになるので、登録や管理が少し手間です。
他のECサービスでも良かったのですが、制作時点では素材の複数ダウンロードができること、複数の支払い方法が選べたことなどで最適と思ったのでSTORESにしました。ECサービスは日々進化しているので、自分が使いやすいと思ったものを選ぶと良いと思います。
イラスト素材は売れるのか
実際、独自でサイトを作って売れたのか?と聞かれると公開してから今のところ私個人は有料版は全く売れておりません。多く利益を出すほどの素材数も少ないし、認知度も低い。
現在設定している単品購入の価格は、既存のストックサイトを参考にして設定しましたが、単品購入としては高くはないですが、大手ストックサイトのサブスクリプション利用と比較すると、相対的に高く感じられるとは思います。
現在の価格戦略の課題としては、「高解像度」や「EPSデータ付き」だけでは多くの使用者には響きにくいので、もう少しちゃんと売るなら付加価値が必要だと感じました。
既存ストックサイトにもテスト検証
そんな経緯から、既存のストックサイトを使い始めたのは自サイトを作ってからずいぶん後なのですが、私がいま登録しているのはAdobe StockとPIXTAだけ少し素材を置いています。登録するサイトが多いほど販売数が増えるとは聞いていますが、今のところ管理ができそうにないので絞り込んでいます。
既存サイトでの登録数は100点未満とかなり控えめですが、この少ないデータから見えてきたことがあります。例えば、Adobe Stockでは季節やイベントに関連する素材がパラパラと段階的に売れる傾向ですが、PIXTAではたまに予測できないタイミングでダウンロードされることがあります。
ストックイラストで大きく収益を上げることを目的にするなら、登録数を増やして、需要をとらえた素材を計画的に制作していく必要があると感じています。
継続して数を増やし続けているストッククラブの皆さんは本当にすごいと思います。
ストックイラスト素材やサイトをどのように活用する?
ストック素材はポートフォリオの役割も果たしてくれるので、そこからクライアントへ宣伝したり、クライアントワークにつなげる用途としても使用しています。人と会う時には「イラスト素材が使えるサイトを作りました」と話すと、あとで見てもらえることもあります。
そして仕事の依頼があった時に、自分のストック素材を見せて「こんなイラストもありますよ」と提案がしやすくなってはいます。実際、このタッチのイラストが欲しいと言われたこともありました。
自分用の素材ストックとして作っておくと、一から全て描くよりも、使い回して効率よく制作できます。
他は被リンク効果。フリーの素材配布として運営することで、アクセス解析を見ると徐々にですがアクセスも増えてきて、ダウンロードはされているので、ストックサイトから各自サイトへの被リンク効果も少しずつ出ています。
プラグインで機能拡張をすると、自サイトで検索されている独自のキーワードも見られます。全てのキーワードが本当に素材を探しているものではないですが、イラストを描く参考のひとつのデータにはなります。

私は物販はしていませんが、他メンバーはオンラインショップに自分の物販も販売して、導線を作ってうまく活用しています。
これから自分のストックサイトを作るなら?
ここまで記事を読んでいただいて、自分でもストックサイトを作ってみようかな?と思われた方はたぶん少ないと思いますが、ひとつの参考情報として書きます。
今回はWordPressとSTORESでサイトとショップを作っていましたが、分かっていたことですが実際始めてみると、1つ素材をアップするたびに有料版も作るならSTORESにも素材を1つ登録しないといけないので、後でまとめて差し替えたりすることを考えると、メンテナンス性はあまり良くはないです。
プラットフォームに左右はされますが、WordPressで制作するのは無料イラスト素材配布まで。有料版の販売への導線は、既存のストックサイトへまとめてリンクさせるほうが管理や差し替えなども、便利な機能が整っているし作業しやすいと思います。
私もストックを始めてまだまだ経験が少ないので、亀のようなゆっくりとした歩みですが、今後も色々試しながら続けていきたいです。
まとめ
- 売上は現状ないが、サイト運営は無駄ではない
- 長期的視点で見ると、ブランディングや集客に貢献している
[公開日] 2025年12月16日 / カテゴリー:イラスト
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